平成最後の本紹介

おつひよ。
平成最後に何か書こうと思ったのですが、まったく何にも思いつかなかったので、ラストの本紹介しようと思います。

タイトル:『葉桜』
著者:橋本 紡(はしもと つむぐ)
出版:集英社文庫 出版年:2014年4月25日
ページ数:278p ISBN:9784087451856 価格:540円+税

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「字なんか、ただ真似たっておもしろくないよ。その人がどういう思いで筆を取ったのか、なにを伝えたかったのか、ちゃんと気持ちを理解したうえで書いたほうがいい。意味も知らないまま、ただ上手になったって仕方ないだろう」



<あらすじ>

高校三年生の佳奈は、書道教室の先生に長い片思いをしている。けれど、先生には奥さんがいた。叶わない思いを胸に、佳奈は日々教室で文字を書く。先生が見せた、知らなかった一面。美人で天才の妹・紗英が抱える、命のリミット。書道に打ち込む同い年の津田くん。周囲の人々に背中を押されるように佳奈のなかで何かが変わってゆく――。
 春から夏へ、少女から大人へ。まぶしく切ない青春恋愛小説。
(引用元:『葉桜』裏表紙より)



<総括>

 普段の本紹介であれば、一章ずつざっくり内容紹介をするのですが、今作はそれが難しいので、完全に感想文です。

 私がこの本を買ったのは、大学生の頃でした。関西の大学に通うため、一人暮らし中。買ったきっかけは、高校の頃の司書の先生が『九つの、物語』を在学中に薦めてくれ、橋本さんの描く物語が好きだったからだと記憶しています。
 購入当時に読んだ記録を見つけ出したので、当時の感想も書いておこうかな。

 毎度本紹介で、画像の下に気に入った文を一文載せているのですが、大学生の私は今の私と違う一文に惹かれていたようです。

「思いは深く沈めたくらいでちょうどいいんだよ」

 1で先生が佳奈に伝えた言葉です。最後まで読むと、この一文も佳奈の中にきちんと残っていて、だからこそ、想いの伝え方が風情と情緒あるものになったのだと思います。
 また、妹の紗英を桜にたとえた祖父や、紗英の部屋で見た光景が引っかかっていて、大学生のときの私は一章ずつ丁寧に読むタイプだったのだなと感じました。
 現在の私は、一気に読み進めることが増えたので、印象に残っているのがどうしても後半or前半になるのですが、大人になったからか先生の考えやありかたに注目して読んでいた気がします。
 高校生の佳奈の想いに、真摯に、けれどはっきりと拒絶するように答えられたのは、彼が字だけではなく、短歌の意味一つ一つを普段から考えていたからだという気がして。
 同じように短歌や俳句を勉強していた身ですが、ここまで真摯に向き合えたかというとそんなことはなかったなと思うので、今後小説を読む中でも一つ一つの表現にアンテナを立てていきたいなと感じさせられる内容でした。

こんな人におすすめ

・甘すぎない恋愛小説が読みたい方
・ほんのり、少し寂しい小説が好きな方


平成は大変お世話になりました。
いつになってもおそらくマイペース更新ですが、それでも良ければ令和もよろしくお願いいたします。

「ららら日和」柚咲はる。

『神様のカルテ0』

今日の読書案内はもちろんこちら。
今作はソフトカバーも持っているので、文庫版 / ソフトカバーで情報を載せています。

タイトル:『神様のカルテ0』

著者:夏川 草介(なつかわ そうすけ)
出版:小学館文庫 / 小学館 出版年:2017年11月12日 / 2015年3月1日
ページ数:285p / 223p ISBN:9784094064704 / 978409386404 価格:580円+税 / 1300円+税

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〝優しさというのはね、想像力ですよ〟



<あらすじ>

人は、神様が書いたカルテをそれぞれ持っている。それを書き換えることは、人間にはできない――。信州松本平にある本庄病院は、なぜ「24時間、365日対応」の看板を掲げるようになったのか?(「彼岸過ぎまで」)。夏目漱石を敬愛し、悲しむことの苦手な内科医・栗原一止の学生時代(「有明」)と研修医時代(「神様のカルテ」)、その妻となる榛名の常念岳山行(「冬山記」)を描いた、「神様のカルテ」シリーズ初の短編集。二度の映画化と二度の本屋大賞ノミネートを経て、物語は原点へ。日本中を温かい心にする大ベストセラー最新作! 解説は小川一水さん
(引用元:『神様のカルテ0』裏表紙より)


有明

 進藤辰也が彼女である如月千夏にあることをする話。
 全体的には医学部時代のお話ですが、進藤視点でのお話なので、今までの神カルではみることのなかったシーンが多かった気がします。

彼岸過ぎまで

 一止が本庄病院に入る前の大狸先生、古狐先生、乾先生と本庄病院の事務方のお話。
 一止の存在はあるシーンで出てきますが、基本的には一止の先輩方のお話なので、こちらもまた新鮮でした。あと個人的に大好きな古狐先生が、また登場してくれたことに感謝です。

神様のカルテ

 シリーズタイトルの根源となるお話。
 一止の研修医時代が描かれています。一人ひとりと向き合う医療を目指した一止の背景が描かれていて、このお話を知ってから読む神カルシリーズはまた味が違うのではないでしょうか。
 また、今回の中心となる患者・國枝さんが安曇さんたちを彷彿とさせて、こんな人に出会って見たかったなと思いました。

冬山記

 ハルこと榛名が主人公のお話。
 とある雪山での出来事を描いていますが、ハルの強さはどこから来るのかがわかって、とても面白かったです。
 個人的には一止とハルの馴れ初めなども気になるので、いつかこういう短編にならないかなと期待しています。

<総括>

シリーズ初の番外編といった形の作品なので、本編とは違う視点や描写が新鮮でした。
個人的に好きなキャラクターである一止の先輩方や榛名が中心になったお話があることが本当にうれしかったです。

こんな人におすすめ

・命と向き合う職業の方
・死について考えたい方
・人間ドラマが好きな方

『神様のカルテ3』

日付が変わってしまいましたが、3冊目の読書案内です!
あと2冊……かな?

タイトル:『神様のカルテ3』

著者:夏川 草介(なつかわ そうすけ)
出版:小学館文庫 出版年:2014年2月11日
ページ数:484p ISBN:9784094060188 価格:714円+税

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「やまない雨はないんですから」



<あらすじ>

「私、栗原君には失望したのよ。ちょっとフットワークが軽くて、ちょっと内視鏡がうまいだけの、どこにでもいる偽善者タイプの医者じゃない」
 内科医・栗原一止が30歳になったところで、信州松本平にある「24時間、365日対応」の本庄病院が、患者であふれかえっている現状に変わりはない。夏、新任でやってきた小幡先生は経験も腕も確かで研究熱心、かつ医療への覚悟が違う。懸命でありさえすれば万事うまくいくのだと思い込んでいた一止の胸に、小幡先生の言葉の刃が突き刺さる。映画もメガヒットの大ベストセラー、第一部完結編。解説は姜尚中さん。
(引用元:『神様のカルテ3』裏表紙より)


プロローグ

 御嶽荘のお話。
 一止が早めに家に帰っていることを「夏の雪」と例える男爵の感性が好きです。

第一話 夏祭り

 一止の患者さんが夏祭りで金魚屋をする話。
 こんな患者さんがいっぱいいると大変。

第二話 秋時雨

 東西主任と主任の高校の頃の先生とのお話。
 みんな幸せって言うほど円満ではなくても、主任と先生にとっては良い結末だったのではないかと思いました。

第三話 冬銀河

 小幡先生の苛烈な言葉が出てくるお話。
 彼女自身の心持としては、信念に従えばいいと思うけれど、他人に迷惑をかけるような行為をするなら、それなりの対応をするべきではないか。
 私がまだまだ子供の考えを持っていることがそう思わせるのかもしれないけれど、耕はなりたくないなと思ってしまった。

第四話 大晦日

 小幡先生の事情が分かる話。
 事情が分かればやっぱり人は納得して、協力したり理解しようと思うんだなぁと。でも私も一止みたいなところあるので理解できる気がします。

第五話 宴

 一止の送別会。
 大狸先生の粋な計らいが本当に素敵。

エピローグ

 屋久杉くんがいなくなり、学士さんが戻ってくる。
 変わっていくものがたくさんある中で、変わらないものもあるのだなぁと。

<総括>

人間ドラマが中心だった今作。一止の覚悟も、周りの人のやさしさも、小幡先生の自分と一部の患者に厳しい信念もすべてがリアルでした。
患者での視点でしか言えませんが、誤診だったと聞けば戸惑うけれど、背景として似たような病状のものがあって、こういうことが無いと判断がつかないというような説明をしてくれるとわかりやすいのかなと。
そもそも病名って漢字が並んで分かりにくいとか、カタカナで意味全く分からないってイメージなので、丁寧に説明してくれるだけでありがたいのです。

こんな人におすすめ

・命と向き合う職業の方
夏目漱石好きの方
・死について考えたい方
・人間ドラマが好きな方

『神様のカルテ2』

おつひよ!
昨日に引き続き、読書案内です。


タイトル:『神様のカルテ2』

著者:夏川 草介(なつかわ そうすけ)
出版:小学館文庫 出版年:2013年1月9日
ページ数:380p ISBN:9784094087864 価格:657円+税

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「医師の話ではない。人間の話をしているのだ!」



<あらすじ>

栗原一止は、夏目漱石を敬愛する信州の内科医だ。「24時間、365日対応」を掲げる本庄病院で連日連夜不眠不休の診療を続けている。
4月、東京の大病院から新任の医師・進藤辰也がやってくる。一止年なの大学の同級生だった進藤は、かつて〝医学部の良心〟と呼ばれたほどの男である。だが着任後の進藤に、病棟内で信じがたい悪評が立つ。失意する一止をさらなる試練が襲う。副部長先生の突然の発病――この病院で、再び奇蹟は起きるのか?
史上初、シリーズ2年連続本屋大賞ノミネートの大人策が映画と共に待望の文庫化! 解説は田中芳樹
(引用元:『神様のカルテ2』裏表紙より)


プロローグ

 運動嫌い――というより歩くのが好きではない私にとっては想像しがたいが、山を登った後の達成感というのは、こういう美しい景色をじかに見れるというものによって得るものではないだろうか。
 信州に行ったこともないので、映画で見た景色しか知らないが、あの景色を生で見れるなら、ちょっと登ってみたい気がする。

第一話 紅梅記

 久しぶりに再会した友人が、一止にとっては人が変わったように見えるというお話。
 社会人になってから特に思うのが、人に迷惑をかける可能性があるときは言える範囲で事情を話すなど理解を求めなければならないということです。
 学校なら欠席したってグループワークとかがない限り問題ないと思っていたんですが、よく考えたら義務教育の間はどうして休むのかを保護者が説明してくれていたんですよね。今職場で仕事残して帰った人の事情が全く分からないと、何で途中で帰ったんだろうと思う自分がいて、自分一人で回している仕事ではないのであれば、きちんと周りに説明することも大事だなと感じるお話でした。

第二話 桜の咲く町で

 進藤の事情が分かるお話。
 紅梅記の感想にあげていますが、事情を話さなければいけないにしても他人に噂されるのはまた違うかなと思いました。

第三話 花桃の季節

 古狐先生こと副部長先生が発病する話。
 今作全体で副部長先生との絡みは多かったのですが、その分一止の気持ちがわかるような気がします。

第四話 花水木

 副部長先生ご夫婦のために本庄病院の多くのスタッフが頑張るお話。
 映画版ではちょっと設定が変わっているのですが、このシーン、本当に素敵なのでぜひ見てください。

エピローグ

 御嶽山に登る話。
 ハルに人間味を感じられてよかったです。

<総括>

「医者である前に、一人の人間である」当たり前のことなのに忘れがちなことだと思います。同様に言えるのは介護士自衛官……人の命に係わる職種についている人たちでしょうか。少し違いますが、接客業の方に「お客様は神様だ」という視点から無理難題を言う人も増えていますよね。
 職業にかかわらず目の前にいるのは一人の人間であると思えば、もう少し優しい世の中になるのかもしれません。

こんな人におすすめ

・命と向き合う職業の方
夏目漱石好きの方
・死について考えたい方
・映画「神様のカルテ」が好きな方

『神様のカルテ』

おつひよ。
2月最初の読書案内は、最新刊を買って、「そういえば、まだブログにあげてない!」と気づいた大好きなシリーズの1巻です。新刊を買うたびに、まだこれもアップしてない……とはなるんですが、勢いづいたので今月はおそらくこのシリーズの最新刊までの読書案内をしていきますね。

タイトル:『神様のカルテ

著者:夏川 草介(なつかわ そうすけ)
出版:小学館文庫 出版年:2011年6月12日
ページ数:252p ISBN:9784094086188 価格:552円+税

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「〝大丈夫です、止まない雨はありませんから〟って」



<あらすじ>

栗原一止は信州にある「24時間、365日対応」の病院で働く、悲しむことが苦手な29歳の内科医である。職場は常に医師不足、40時間連続勤務だって珍しくない。
ぐるぐるぐるぐる回る毎日に、母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば最先端の医療を学ぶことができる。だが大学病院では診てもらえない、死を前にした患者のために働く医者でありたい……。悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢のがん患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。2010年本屋大賞第2位、日本中をあたたかい涙に包み込んだベストセラー、待望の文庫化!
(引用元:『神様のカルテ』裏表紙より)


第一話 満天の星

 現役医師が書いている作品なので、病院の描写が本当にリアリティがある。
 結婚記念日を忘れられたりというものは本来、(夫の仕事に理解があろうと)気にする人は気にすることであるのに、気遣いができるハルと、その心配りに気づける一止の関係性がとても素敵だと思った。

第二話 門出の桜

 一止の住む御嶽荘の住人たちが中心のお話。
 学士殿の抱えるものの大きさと、その背中を押せる一止の強さと、学士殿の門出を自分の好きなことで祝える男爵の優しさと、不器用な3人を陰ながら支えるハルの懐の大きさが垣間見えた。

第三話 月下の雪

 あらすじにある安曇さんのお話。
 映画も観たが、安曇さんの病床にあっても人を気遣える優しさと強さがとても印象深い。自分が体調不良のときに人を気遣えているだろうかと思わず考えてしまった。

<総括>

 全体的に優しい物語だと思うが、描かれている題材が題材なので、重いものや厳しい医療現場について知ることができる。私自身の住んでいる地域も入院のできる大きな病院は限られているため、医療現場がこれからどうなっていくのか、現実でも知らなければいけないと感じた。

こんな人におすすめ

・命と向き合う職業の方
夏目漱石好きの方
・死について考えたい方

『少年陰陽師 現代編・遠の眠りのみな目覚め』

タイトル:『少年陰陽師 現代編・遠の眠りのみな目覚め』

著者:結城 光流(ゆうき みつる)
出版:角川ビーンズ文庫 出版年:2018年12月1日
ページ数:240p ISBN:9784041075111 価格:600円+税

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夢はうつつ



<あらすじ>

現代東京、大陰陽師安倍晴明の孫と同じ名をもつ中学2年生の安倍昌浩は、半人前ながら十二神将とともに陰陽師として依頼を受けている。
ある日レストランに出た女幽霊の事件がきっかけで強大な化け物と対決することに! その化け物は、女性を夢に誘い生命力を奪うという。ついには幼馴染の彰子も倒れて目覚めなくなり⁉ 彼女を救うため、一人で戦うことを決めた昌浩は……。
現代に生きるもうひとりの”少年陰陽師”の物語、新展開!
(引用元:『少年陰陽師 現代編・遠の眠りのみな目覚め』裏表紙より)


あれが、陰陽師

 あるレストランで女幽霊のせいで従業員が次々辞めていくという事件。その事件を晴明の言いつけで昌浩が受けることになる。
 この事件を言い渡される流れは基本的に『少年陰陽師』シリーズと同じです。
 事件や妖の種類は現代に合わせられているものの、軽快なテンポで進んでいく討伐劇はこれぞ結城作品という感じでした。

遠の眠りのみな目覚め

 表題作。
 とあるアクセサリーにより女性が眠りについてしまうという不思議な事件。昌浩の元には以前解決したはずの事件とかかわりがあると依頼が来る。
 おそらくこのままシリーズ化確定したんだろうなぁという結末を迎えます。

<総括>

  昌浩が彰子のためにと動くところは昔から変わらず。
 現代に合わせた妖や呪具が出てくるので、なんとなく、自分の持ち物を清めようかなという気になりました。特に石は、気を付けなければ。

こんな人におすすめ

・『少年陰陽師』……結城光流先生ファン
・京都好きな人
・『吉祥寺よろず怪事請負処』の読者

『少年陰陽師 現代編・近くば寄って目にも見よ』

タイトル:『少年陰陽師 現代編・近くば寄って目にも見よ』

著者:結城 光流(ゆうき みつる)
出版:角川ビーンズ文庫 出版年:2017年11月1日
ページ数:256p ISBN:9784041056271 価格:600円+税

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「似てるだろう」



<あらすじ>

時は現代。
安倍晴明やその孫たちと同じ名と性質を持ち、十二神将を共にして陰陽師を生業とする者たちがいた。
今も京都に棲む妖たちが遭遇した、安倍晴明を名乗る禍つものの正体は?(「久方ぶりの再会」)
成親の夢に立った高淤の神に会うためめ、紅蓮と東京を発った昌浩の京都巡りの顛末(「遠からんものは音に聞け」)など、再録&大量書き下ろしで一冊に!
現代に生きるもうひとりの”少年陰陽師”の物語が幕を開ける!
(引用元:『少年陰陽師 現代編・近くば寄って目にも見よ』裏表紙より抜粋)



はじまり~奇しき縁~

 現代編の前提条件を挙げている序章。
 元々が平安京を舞台にした『少年陰陽師』シリーズの現代編なので、完全な生まれ変わりなのか否かなど、これから物語を読むうえで本シリーズと現代編との違いを明確化されています。

久方ぶりの再会 一

 この章では、昌浩が紅蓮を伴って京都の本家に行く話。
妖や式など『少年陰陽師』で出てきたキャラクターもそのまま出てくるシーンからスタート。本シリーズが好きな方にはたまらないキャラクターも登場します。
現代編なので、本シリーズでは使えないカタカナが使われているシーンがあったり、過去一度でも読んだことがある方は感動するかと思います。
明確にカタカナが使われる・使われないの違いがありますので、表現の多様化にも感動するのではないでしょうか。
 晴明神社に行ったことがあるので(正しくは京都に行くときは必ず行く)、久しぶりに行きたいなと思うような描写がありました。

久方ぶりの再会 二

「久方ぶりの再会 一」の翌日。
 京都観光として映画村に行こうとした主人公・昌浩と紅蓮。しかし、突如現れた青年に拉致られて目的地と定めた映画村とは違う場所に行くことになる。
道中は紅蓮が過去を思い出すので、映画村の描写もあります。

遠からんものは音に聞け

回想が中心。昌浩と幼馴染の比古、紅蓮、昌浩の長兄・成親と4人で京都の水巡りをする。下鴨神社などが登場。

近くば寄って目にも見よ

 表題作。多分読んだら桃好きな人は桃食べたくなると思います。

<総括>

 京都の観光名所にまつわるエピソードが多かったので、好きな人はとても好きだと思います。行ったことある人は特に楽しめるはず。

こんな人におすすめ

・『少年陰陽師』……結城光流先生ファン
・京都好きな人

はてなブログとnote

 おつひよ。
 今回は普通に最近の悩み?考えていることをつらつらと書いていきますね。
 考えがまとまらないから自分用のメモみたいなものです。

 最近、はてなブログでこのままブログを続けるか、noteに移行するかで迷っています。
 単純に新しいもの好きなのでnoteに手を出してみたいなーくらいの感覚なので、どっちもやってみるというのもあり。
 今まで創作活動する中でnanoさんや最初はフォレストを使って軽くブログを書いたことはあるんですが(現在はどちらもやっていません)、それは結局2記事くらい書いて飽きちゃう自分がいて。他にもこのPNになってから、いろんなブログ転々して結局今ははてなブログにお世話になっている状態です。
 更新頻度もそんなに高くないのは多分、私が私生活であったことはブログであまり書かない性質だからなのですが、いろんなメモ代わりに更新するのもありかなーと最近思ったりもしていて。
 読書案内を主にはてなブログで載せているので、移行するのは手間がかかるとは思います。
 読者さんがつくまで基本的に小説を書いても無料公開、読書案内はもちろん無料公開、とすると結局noteにする意味ないんじゃないとも思います。
 ただ、ブログにこういうだらっとした文を載せるのも躊躇うというか、自分で設定しておいて難なんですが、はてなブログのテンプレート(PC版)気に入っているので、ぐだっとした文載せたくないんですよね。
 その点、noteはシンプルなので、ある程度まとまった文章で無料公開ならありかも?と思ったり。

 まあここまでグダグダ書いていて何言ってるんだって話ではあるんですが、要するに論点をまとめると

・新しいもの好きなので(というか飽き性なので)違うコンテンツ?に手を出してみたい
・棲み分けするか完全にnoteに移行するか迷う
・ブログにまとまりのない文章を置きたくない。

みたいなことなんです。

 あれ、まとめてみると、とりあえず手を出してみて試行錯誤するのもありかも。
 読書メーターで月に読んだ本を纏めようと思っていたけど、簡単にぐだっと書くならnoteって分けるのもありですよね。気に入らなかったら、ブログにもうちょっとまとめてのっけるのもあり……。
 もしくはあちらは「クリエーターの発表の場」だから、小説を向こうに置いて、こっちはグダグダ記事書くのアリってルールを作るか。(こんな素敵なテンプレートでぐだっていいものか……)

 とりあえずメリット、デメリット調べたり、はてブロとnoteの使い分けしている人を探したりしてみようかな。
 万が一、棲み分けするとかお試しであちらも使ってみるということがありましたら、またご報告させていただきますね。

 SS名刺は、今月1枚作れたらいいなって感じですので、そちらは期待せずお待ちください。

 それでは、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
 いつも以上にぐだっている文ですみません! 次回はおそらく読書案内です。おつひよ!

『健康で文化的な最低限度の生活』

新年1発目の読書案内です。
(まさかのあらすじ以降が読めない状態になっていましたので修正いたしました。)
今年最初の本は、知人に戴いた本です。

タイトル:『健康で文化的な最低限度の生活』

著者:斉藤壮馬
出版:KADOKAWA 出版年:2018年10月31日
ページ数:165p ISBN:9784041073490 価格:2,100円+税

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――本が好きです。今度は嘘じゃありません。



<あらすじ>

声優・斉藤壮馬、初めてのエッセイ集。
夏の香りを吸い込んだら、秋を羽織ろう。
冬になったら熱燗を飲もう。
そういう円環の中に、たぶんぼくはいて、これからもそれが続いていくのだろう。
(引用元:『健康で文化的な最低限度の生活』帯より抜粋)



第1夜 斉藤壮馬の健康で文化的な最低限度の生活

ボイスニュータイプ」で連載されていたエッセイ。一本が短いのであっという間に読めるかと。
 著者が本好きなので、ちょこちょこ壮馬くん(知人の著者の呼び方が移りました)の好きな本が出てきます。
 また、ちょっと自分と似ているなと思う環境の話だったり、嫌いなものの話だったりの出し方がとても上手で引き込まれました。叔父さんとのお話と本が好きという話が好きです。特に後者は思い当たる節があって、やっぱり電子書籍を導入するべきか悩みました。

第2夜 斉藤壮馬のつれづれなるままに

 こちらはWEBサイト「KIKI」連載より厳選収録されたエッセイ。
 第1夜の『斉藤壮馬の健康で文化的な最低限度の生活』とはまた違ってもっとゆるっとした書き方に代わっているので、ちょっとした待ち時間に読むのが最適な文量。
 時計の話を読んで、高校入学のときに買ってもらったお気に入りの時計の電池を変えてもらおうかなと思いました。当時の私が好きだったものが文字盤に詰まっていて、今の私もまだそれが好きって、今後も好きでいられるのかなって。成人祝いに買ってもらった時計は高校のときのものよりシンプルなので普段と仕事で分けて持つのもありかな。

第3夜 夜明けの口笛吹き

 本書の書下ろし。
 総括でもある『健康で文化的な最低限度の生活』が一番今の自分にはしっくりきました。私自身が感情の浮き沈みが激しいからかもしれません。

<総括>

知人が好きな声優さんで声は分かる、送られてきている写真で顔もわかる、でもどんな人か知らないという認識でこの本を読み始めましたが、読みやすい文章を書かれる方だなと思いました。声優という職業は、私の知る限り、作品に出演、作品のイベントなどに出演もしくはメッセージを送る、出演作品のラジオ番組、個人のラジオ番組、最近は声優さんのテレビ番組など多岐にわたっていて、そのすべての根本は「声」であり、「言葉」であると思います。いろんな作品で声を当て、たくさんのラジオで自分の言葉で話す、そして読書好き。そんな著者だからこその表現や言葉選びに注目して読むのも楽しいと思います。
 私自身は、著者と被る部分もあったりしましたが、何よりも第3夜の『健康で文化的な最低限度の生活』の中にある言葉たちが響きました。
 感情のアップダウンが多い人間なので、エッセイは書くのも読むのも苦手なのですが(当ブログの日常記事が少ない理由です)、女優の杏さんのエッセイは知らないことを知ることが出来て楽しいと思わせてくれ、本書は些細なことを文章にするのもありなんだなと思わせてくれました。

こんな人におすすめ

斉藤壮馬さんや声優が好きな方
・ゆるっとした文章が読みたい方。

2019年

昨年は、大変お世話になりました。
今年もよろしくお願いします。(年始のご挨拶は控えさせていただきます)

さて、今年一発目のブログの記事ですが、年始の目標を立てようと思います。
目標なのできっと叶えないものもある。という前提のもと努力目標を立てています(ダメ人間)

・月1で何かしらブログ記事をアップ。
・昨年あまりできなかったSS名刺を作る。
・週に1冊……最低でも月1冊は本を読みたい(希望)。
ラテン語や英語などで児童書が読めるくらいになりたい(希望)。
・過去の作品纏めた個人用の本を作る。(予算上無理ならせめて原稿を纏める!!)

の5つです。
私生活ならもうちょっと色々あるんですけど。部屋片づけるとか、安定した収入を得るとか。
とりあえず3月までに絶対かなえたい目標は毎日それに取り組むことで何とかしたい。
部屋に関しては、一気にやろうとすると逆に散らかるので、1日1か所くらいで片づけていきたいですね……。

あとは、他のブロガーさんたち見てて思うんですけど、読書メーターのまとめ記事作るとか? あっちも自動的に読書ブログできるので、リブログというか、リンク作るなりしてうまいこと使っていきたいですね。
あとはネット上くらい人見知りをしないようにしたい……。
仕事モードなら行けるので。

こんな感じで欲望だらけの人間ですが、今年ものんびりマイペースに活動してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

柚咲はる。
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