『神様のカルテ0』

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タイトル:『神様のカルテ0』

著者:夏川 草介(なつかわ そうすけ)
出版:小学館文庫 / 小学館 出版年:2017年11月12日 / 2015年3月1日
ページ数:285p / 223p ISBN:9784094064704 / 978409386404 価格:580円+税 / 1300円+税

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〝優しさというのはね、想像力ですよ〟



<あらすじ>

人は、神様が書いたカルテをそれぞれ持っている。それを書き換えることは、人間にはできない――。信州松本平にある本庄病院は、なぜ「24時間、365日対応」の看板を掲げるようになったのか?(「彼岸過ぎまで」)。夏目漱石を敬愛し、悲しむことの苦手な内科医・栗原一止の学生時代(「有明」)と研修医時代(「神様のカルテ」)、その妻となる榛名の常念岳山行(「冬山記」)を描いた、「神様のカルテ」シリーズ初の短編集。二度の映画化と二度の本屋大賞ノミネートを経て、物語は原点へ。日本中を温かい心にする大ベストセラー最新作! 解説は小川一水さん
(引用元:『神様のカルテ0』裏表紙より)


有明

 進藤辰也が彼女である如月千夏にあることをする話。
 全体的には医学部時代のお話ですが、進藤視点でのお話なので、今までの神カルではみることのなかったシーンが多かった気がします。

彼岸過ぎまで

 一止が本庄病院に入る前の大狸先生、古狐先生、乾先生と本庄病院の事務方のお話。
 一止の存在はあるシーンで出てきますが、基本的には一止の先輩方のお話なので、こちらもまた新鮮でした。あと個人的に大好きな古狐先生が、また登場してくれたことに感謝です。

神様のカルテ

 シリーズタイトルの根源となるお話。
 一止の研修医時代が描かれています。一人ひとりと向き合う医療を目指した一止の背景が描かれていて、このお話を知ってから読む神カルシリーズはまた味が違うのではないでしょうか。
 また、今回の中心となる患者・國枝さんが安曇さんたちを彷彿とさせて、こんな人に出会って見たかったなと思いました。

冬山記

 ハルこと榛名が主人公のお話。
 とある雪山での出来事を描いていますが、ハルの強さはどこから来るのかがわかって、とても面白かったです。
 個人的には一止とハルの馴れ初めなども気になるので、いつかこういう短編にならないかなと期待しています。

<総括>

シリーズ初の番外編といった形の作品なので、本編とは違う視点や描写が新鮮でした。
個人的に好きなキャラクターである一止の先輩方や榛名が中心になったお話があることが本当にうれしかったです。

こんな人におすすめ

・命と向き合う職業の方
・死について考えたい方
・人間ドラマが好きな方