『神様のカルテ』
おつひよ。
2月最初の読書案内は、最新刊を買って、「そういえば、まだブログにあげてない!」と気づいた大好きなシリーズの1巻です。新刊を買うたびに、まだこれもアップしてない……とはなるんですが、勢いづいたので今月はおそらくこのシリーズの最新刊までの読書案内をしていきますね。
タイトル:『神様のカルテ』
著者:夏川 草介(なつかわ そうすけ)
出版:小学館文庫 出版年:2011年6月12日
ページ数:252p ISBN:9784094086188 価格:552円+税
<あらすじ>
栗原一止は信州にある「24時間、365日対応」の病院で働く、悲しむことが苦手な29歳の内科医である。職場は常に医師不足、40時間連続勤務だって珍しくない。
ぐるぐるぐるぐる回る毎日に、母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば最先端の医療を学ぶことができる。だが大学病院では診てもらえない、死を前にした患者のために働く医者でありたい……。悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢のがん患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。2010年本屋大賞第2位、日本中をあたたかい涙に包み込んだベストセラー、待望の文庫化!
(引用元:『神様のカルテ』裏表紙より)
第一話 満天の星
現役医師が書いている作品なので、病院の描写が本当にリアリティがある。
結婚記念日を忘れられたりというものは本来、(夫の仕事に理解があろうと)気にする人は気にすることであるのに、気遣いができるハルと、その心配りに気づける一止の関係性がとても素敵だと思った。
第二話 門出の桜
一止の住む御嶽荘の住人たちが中心のお話。
学士殿の抱えるものの大きさと、その背中を押せる一止の強さと、学士殿の門出を自分の好きなことで祝える男爵の優しさと、不器用な3人を陰ながら支えるハルの懐の大きさが垣間見えた。
第三話 月下の雪
あらすじにある安曇さんのお話。
映画も観たが、安曇さんの病床にあっても人を気遣える優しさと強さがとても印象深い。自分が体調不良のときに人を気遣えているだろうかと思わず考えてしまった。
<総括>
全体的に優しい物語だと思うが、描かれている題材が題材なので、重いものや厳しい医療現場について知ることができる。私自身の住んでいる地域も入院のできる大きな病院は限られているため、医療現場がこれからどうなっていくのか、現実でも知らなければいけないと感じた。
こんな人におすすめ
・命と向き合う職業の方
・夏目漱石好きの方
・死について考えたい方