『少年陰陽師 現代編・近くば寄って目にも見よ』

タイトル:『少年陰陽師 現代編・近くば寄って目にも見よ』

著者:結城 光流(ゆうき みつる)
出版:角川ビーンズ文庫 出版年:2017年11月1日
ページ数:256p ISBN:9784041056271 価格:600円+税

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「似てるだろう」



<あらすじ>

時は現代。
安倍晴明やその孫たちと同じ名と性質を持ち、十二神将を共にして陰陽師を生業とする者たちがいた。
今も京都に棲む妖たちが遭遇した、安倍晴明を名乗る禍つものの正体は?(「久方ぶりの再会」)
成親の夢に立った高淤の神に会うためめ、紅蓮と東京を発った昌浩の京都巡りの顛末(「遠からんものは音に聞け」)など、再録&大量書き下ろしで一冊に!
現代に生きるもうひとりの”少年陰陽師”の物語が幕を開ける!
(引用元:『少年陰陽師 現代編・近くば寄って目にも見よ』裏表紙より抜粋)



はじまり~奇しき縁~

 現代編の前提条件を挙げている序章。
 元々が平安京を舞台にした『少年陰陽師』シリーズの現代編なので、完全な生まれ変わりなのか否かなど、これから物語を読むうえで本シリーズと現代編との違いを明確化されています。

久方ぶりの再会 一

 この章では、昌浩が紅蓮を伴って京都の本家に行く話。
妖や式など『少年陰陽師』で出てきたキャラクターもそのまま出てくるシーンからスタート。本シリーズが好きな方にはたまらないキャラクターも登場します。
現代編なので、本シリーズでは使えないカタカナが使われているシーンがあったり、過去一度でも読んだことがある方は感動するかと思います。
明確にカタカナが使われる・使われないの違いがありますので、表現の多様化にも感動するのではないでしょうか。
 晴明神社に行ったことがあるので(正しくは京都に行くときは必ず行く)、久しぶりに行きたいなと思うような描写がありました。

久方ぶりの再会 二

「久方ぶりの再会 一」の翌日。
 京都観光として映画村に行こうとした主人公・昌浩と紅蓮。しかし、突如現れた青年に拉致られて目的地と定めた映画村とは違う場所に行くことになる。
道中は紅蓮が過去を思い出すので、映画村の描写もあります。

遠からんものは音に聞け

回想が中心。昌浩と幼馴染の比古、紅蓮、昌浩の長兄・成親と4人で京都の水巡りをする。下鴨神社などが登場。

近くば寄って目にも見よ

 表題作。多分読んだら桃好きな人は桃食べたくなると思います。

<総括>

 京都の観光名所にまつわるエピソードが多かったので、好きな人はとても好きだと思います。行ったことある人は特に楽しめるはず。

こんな人におすすめ

・『少年陰陽師』……結城光流先生ファン
・京都好きな人