『健康で文化的な最低限度の生活』

新年1発目の読書案内です。
(まさかのあらすじ以降が読めない状態になっていましたので修正いたしました。)
今年最初の本は、知人に戴いた本です。

タイトル:『健康で文化的な最低限度の生活』

著者:斉藤壮馬
出版:KADOKAWA 出版年:2018年10月31日
ページ数:165p ISBN:9784041073490 価格:2,100円+税

f:id:hr-ktnh:20190101033354j:plain:h400

――本が好きです。今度は嘘じゃありません。



<あらすじ>

声優・斉藤壮馬、初めてのエッセイ集。
夏の香りを吸い込んだら、秋を羽織ろう。
冬になったら熱燗を飲もう。
そういう円環の中に、たぶんぼくはいて、これからもそれが続いていくのだろう。
(引用元:『健康で文化的な最低限度の生活』帯より抜粋)



第1夜 斉藤壮馬の健康で文化的な最低限度の生活

ボイスニュータイプ」で連載されていたエッセイ。一本が短いのであっという間に読めるかと。
 著者が本好きなので、ちょこちょこ壮馬くん(知人の著者の呼び方が移りました)の好きな本が出てきます。
 また、ちょっと自分と似ているなと思う環境の話だったり、嫌いなものの話だったりの出し方がとても上手で引き込まれました。叔父さんとのお話と本が好きという話が好きです。特に後者は思い当たる節があって、やっぱり電子書籍を導入するべきか悩みました。

第2夜 斉藤壮馬のつれづれなるままに

 こちらはWEBサイト「KIKI」連載より厳選収録されたエッセイ。
 第1夜の『斉藤壮馬の健康で文化的な最低限度の生活』とはまた違ってもっとゆるっとした書き方に代わっているので、ちょっとした待ち時間に読むのが最適な文量。
 時計の話を読んで、高校入学のときに買ってもらったお気に入りの時計の電池を変えてもらおうかなと思いました。当時の私が好きだったものが文字盤に詰まっていて、今の私もまだそれが好きって、今後も好きでいられるのかなって。成人祝いに買ってもらった時計は高校のときのものよりシンプルなので普段と仕事で分けて持つのもありかな。

第3夜 夜明けの口笛吹き

 本書の書下ろし。
 総括でもある『健康で文化的な最低限度の生活』が一番今の自分にはしっくりきました。私自身が感情の浮き沈みが激しいからかもしれません。

<総括>

知人が好きな声優さんで声は分かる、送られてきている写真で顔もわかる、でもどんな人か知らないという認識でこの本を読み始めましたが、読みやすい文章を書かれる方だなと思いました。声優という職業は、私の知る限り、作品に出演、作品のイベントなどに出演もしくはメッセージを送る、出演作品のラジオ番組、個人のラジオ番組、最近は声優さんのテレビ番組など多岐にわたっていて、そのすべての根本は「声」であり、「言葉」であると思います。いろんな作品で声を当て、たくさんのラジオで自分の言葉で話す、そして読書好き。そんな著者だからこその表現や言葉選びに注目して読むのも楽しいと思います。
 私自身は、著者と被る部分もあったりしましたが、何よりも第3夜の『健康で文化的な最低限度の生活』の中にある言葉たちが響きました。
 感情のアップダウンが多い人間なので、エッセイは書くのも読むのも苦手なのですが(当ブログの日常記事が少ない理由です)、女優の杏さんのエッセイは知らないことを知ることが出来て楽しいと思わせてくれ、本書は些細なことを文章にするのもありなんだなと思わせてくれました。

こんな人におすすめ

斉藤壮馬さんや声優が好きな方
・ゆるっとした文章が読みたい方。