『ぼぎわんが、来る』
お久しぶりです。
更新しなきゃと思っているうちに8月になってしまいました。
酷暑やら大暑やらいろんな言い方で表現している「暑さ」のやばい夏ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回は7月中に読んだ作品から、「涼」をお届けできる作品の紹介です。
タイトル:『ぼぎわんが、来る』
著者:澤村伊智(さわむら いち)
出版:角川ホラー文庫 出版年:2018年2月25日
ページ数:375p ISBN:9784041064290 価格:680円+税
<あらすじ>
〝あれ〟が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん――。
幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。それ以降、秀樹の周囲で起こる部下の原因不明の怪我や不気味な電話などの怪異。一連の事象は亡き祖父が恐れた〝ぼぎわん〟という化け物の仕業なのか。
愛する家族を守るため、秀樹は比嘉真琴という女性霊能者を頼るが……!?
全選考委員が大絶賛! 第22回日本ホラー小説大賞<大賞>受賞作。
(引用元:『ぼぎわんが、来る』裏表紙)
「第一章 訪問者」
田原秀樹視点の話。幼い頃祖父母の家で起こった怪異が、25年の時を経て帰ってくる。
秀樹視点のため、娘や妻に気を遣ういい父親に見えるが……。
(まあ、そんなことはなかったよね。ところどころまじくずっぷり出てたし。ちょっと香奈が気弱な奥さんに見える)
「第二章 所有者」
香奈視点での第一章その後。
あれほど一章ではいい父親をしていたような秀樹は、奥さんに亡くなったことを悲しまれないような人だったんだな。ちょっとまあすごいな、よくあれだけ自信を持てたなと思うレベルのひどさ。
香奈が悪いところはないというわけではないけど、ちょっと本気でこわ……。だって、香奈は自覚してるもんな何が悪いのか。
「第三章 部外者」
オカルトライターである野崎視点の話。
香奈や知紗の様子も描かれ、簡潔に向けて物語は進む。
<総括>
ぼぎわんの謎が、三人の視点で解き明かされていく。ホラーにありがちな犠牲者が出るものの、どうしてことが起きたのかが説明されていて、読みやすい印象。
また、夫婦の問題などにも焦点が当てられているので、現実的な部分と非現実的な部分が織り交ぜられていてとても良かった。
主観と客観の落差も味わえるので、面白い作品。
こんな人におすすめ
・ホラーが好きな方
・ぼぎわんの小隊が気になる方
・映画「来る」の予習がしたい方
余談
凄いどうでもいいことかもしれませんが、個人的にはハードカバーの表紙のほうが好きです。
気になる方は是非一度見てみてくださいね!
また、映画は今年の12月公開だそうです。キャストは決まっているので、誰が誰の役をやるのかをチェックした後に読むと、なかなか面白いかもしれません。